年々と

辛いことがたくさん、たくさんあって

いつか終わるから

いつかきっと…と思ってきた。


確かに大人になると、症状は少し良くなった。

けど、社会に出るとまた壁ができる。

周りの女の子はみんな

かわいくて、

色が白くて、

ツヤツヤな肌で羨ましいな。


私は歩いてると見られたり、

たまに知らない人に綺麗にしろよ

とか、心無い言葉をかけられる。

悔しいけど、それより悲しくて、言い返せない。

ふつうに外を歩けるのが

羨ましいな。

人の目を気にしながら、俯きながら歩くことが多い。なぜか緊張して手汗がすごい。


仕事やアルバイトも、あんまり続かない。

わたしがとろくさいのが悪いのだけど。


邪魔とか早くしろとか、たくさん言われるとストレスで、いつも乾燥したアトピーだったのに、顔から浸出液が出てきて、凄いことになったこともあった。

メモとかとって、後から整理して頑張ってみたけど、色んなことを素早く処理するのが苦手みたい。

毎日毎日急かされると、頭が真っ白になって、余計に出来なくなって、どうにもならなくなった。限界だった。


私ってこの世界に必要ないんだろうな。

どうして生まれちゃったのかな。

ごめんなさい。


お風呂は好きだけど、出たらすぐに保湿、保湿。

海で沢山泳いでみたいな。

運動も本当は好きなのに。

顔の皮膚も薄くて、特に目の下は人より薄くてクマがない日がなくて、疲れてる?って言わる。


化粧うまくのっていいな。

可愛くなりたいな。


治療もお金がかかるし。

もっと他のことに使いたいのにな。


生きづらい。なんでだろ。

みんなそれぞれ大変だし、辛いことがあるってわかる。

けどしんどいよ。

この世界って、ほんとに正直ものがバカをみるというか、やさしいだけじゃ生きていけないなって、社会にでてすごく思う。


色んなことに気付いてしまうから。

色んなことを気にかけてしまうから。


すぐ傷つけられて、抱えて、

立ち直れなくなっちゃう。


なにか出来なくても、なにかいい所があるはずなのに、そこも出せなくなって、折られちゃう。


みんなそれぞれ違うのに。

育ってきた環境が全く違うのに。

自分の正義と他人の正義はちがうのに。


当たり前を押し付けてくるのが嫌い。

もっと自由に生きれたらな。

足枷が重すぎて、動けないよ。


大勢の人の声や車の音が

耳ざわりに感じる。






変化

最初はふつうだった。

けど、歳を重ねて小学校中学年の時

周りと違うことを思い知らされた。


ある男の子と席が隣になる。

忘れもしない。フルネームで覚えてる。


ある日、気持ち悪いと言われた。

次の日、席を離された。

次の日、近寄るなと言われた。

次の日、死ねと言われた。


体育の日、体育が苦手だった私に、取れない速いボールを投げつけてきた。


私は何かしてしまったのかな。

その子と会うのも話すのも初めてだったけど。


私は生まれつきのアトピーだった。

子供の頃は今よりひどくて

顔は赤くただれて、目の周りも腫れて

体も傷だらけだった。


それが、「ふつう」じゃないことをその時知って、劣等感が生まれた。


毎日怯えながら登校して、泣きながら帰った。

でも、自分がいじめにあっていることが恥ずかしいことだと思っていたから、誰にも相談できなかった。


アレルギーだけど、うさぎ当番もやった。

痒かった。


席替えが早くきてほしかったけれど

そういうときに限って、近い席に、隣の席になる。

すごく嫌な顔をされる。

私も君の隣は嫌だよ。


授業で詩の暗記の練習をする時も、一度もまともにやってくれなかった。


大嫌い


初めて死んでしまおうと思ったのもそのときだった。いろんな方法を調べた。


そこから、目立つことはしないようにした。

私はみんなと違うから。目立つと笑われるし、変な目で見られるから。

何もしなくなった。何も考えられなくなった。


高学年になると、優しい子に会えた。

1人は給食でご飯のおかわりを聞きにきてくれた。1人は少しヤンキーっぽかったけど、分け隔てなく話してくれる大柄な子だった。


学校に行けていたのは、その子や、幼馴染の子のおかげかもしれない。


家での時間が救いだった。

ゲームばっかりやってた。アニメも好きだった。

ゲームやアニメは、私を苦しめないし、頭の中で想像して、誰かを救うヒーローになれたりするから。


お母さんごめんね。

もう少し強く生きられたらよかったんだけど。





予兆

幼稚園の頃、そんなにたくさん記憶はないけど

お母さんごっこ、人形遊び、デジモンごっこ、電車の持ち手のなわとび、楽しかった。


今は真っ暗で静かでないと寝れないけど

その頃はまだ、電気を煌々とつけていないと寝れなかったな。そしてお母さんに背中をポンポンしてもらいながら、心臓の音を聴きながら寝ると安心した。


当時、CMでやっていた日立の樹の歌がなぜか怖かった。

家族が、お母さんがいなくなってしまう気がして泣いてた。


自転車の後ろで、ガタガタ道を走ってもらうのが好きだった。


お父さんの記憶はあんまりない。


でもこの頃はまだ、幸せだった。


違いはあれど、一緒、だったから。

無条件に愛してもらえたから。


やり直せるならここからといつも思う。

変わってしまった日。変えてしまった日。




始まりの点

過去は変えられない。

こうしている今も、どんどん、どんどん過ぎて、過去になっていく。


辛かったこと、今までのこと、忘れたい。

無かったことにしたい。やり直したい。


楽しい時間はあっという間で

辛いことはすごく長い


笑顔にはとっても素敵な力があるけど

悲しい負の気持ちはもっともっと強い力がある


自分のことで精一杯だったけど

おんなじように、生きづらい、悲しい思いをしている人がいるのかな


自分のため、これからのために


人生は1回きりだから

笑顔が、楽しい気持ちが多い方がきっといいから


みんなと楽しく過ごすために

変わりたい 

変えていかなくちゃいけない